小さく生まれた赤ちゃんのママへ~早産児のQ&A


早産児と陥没呼吸

陥没呼吸とは、吸気時に肋骨の下、肋骨の間、胸骨の上方に陥没をともなう呼吸状態をいいます。
新生児の胸壁が柔らかいため正期産児においても軽度の肋骨下の陥没呼吸や肋間陥没呼吸がみられることがあります。
胸骨上の陥没呼吸は中枢性の呼吸抵抗を示唆するがはっきりしないことが多い。

呼吸運動のメカニズム

呼吸運動は、肺に空気を出し入れする運動で、吸気と呼気を繰り返すことで外気と肺の空気を出し入れしています。
呼吸は、横隔膜や肋間筋および呼吸補助筋の収縮・弛緩によって胸腔の体積が変化し、胸腔内圧が変化することによって引き起こされます。
吸気は、肋間筋や横隔膜が収縮することにより胸郭を前後に拡げ、肺が膨らんで空気の取り込みを行います。
呼息は、肋間筋や横隔膜が弛緩し胸郭や肺は狭めもとの大きさに戻り二酸化炭素を多く含んだ空気を排出します。安静時呼気は肺の弾性収縮力で縮まります。
呼吸法には、主に横隔膜による腹式呼吸と主に肋間筋による胸式呼吸があります。

陥没呼吸が起こるメカニズム

呼吸運動は、息を吸うと呼吸筋が胸郭を広げて胸腔内に陰圧を作り、肺が受動的に拡張することにより吸気位が形成され、その後肺自身の弾性でもとの状態に戻ることにより吸気位が形成されます。
胸郭の軟らかさに比較して肺の軟らかさが悪いと吸気の際に肺を拡張するために胸腔内に作り出された陰圧により、胸郭の軟らかい部分が引き込まれる現象が陥没呼吸です。

陥没呼吸が起こる理由

呼吸が苦しくいと呼吸補助筋などと使って胸腔容積を大きくして肺への空気の流入を促す深呼吸をいます。
健康な正期産児の場合、深呼吸を行うと胸郭と同様に肺も拡張するので肺胞の中に空気が流入します。しかし、早産児などのように肺サーファクタントが欠乏した肺や気道の通りが悪い場合、または無気肺に陥った場合などの病的状態では胸郭は拡張する肺胞はしぼんだままの状態になってしまいます。このため、肋間、剣状突起の下部など骨性胸郭に接した軟部組織の皮膚が吸気時に陥没してしまいます。
このような呼吸を陥没呼吸といい肺へ空気が入っていかないことを示す兆候だといえます。

早産児に陥没呼吸がみられる理由

胎児の肺は、妊娠26週には構造が完成するのですが妊娠34週以前に生まれた早産児は肺サーファクタント産生が不十分であるため肺胞が虚脱状態となり肺が十分膨らむことができません。
早産児は、肋間筋の発達が未熟であるうえ胸郭も柔らかい。
また、在胎週数にもよりますが早産児は呼吸中枢が未熟です。

陥没呼吸を症状とする疾患

陥没呼吸は、分泌物や浮腫による上気道閉鎖などにより肺胞レベルに空気が十分に到達していない状態や気胸、呼吸窮迫症候群、胎便吸引症候群など肺の膨らみが低い疾患にみられます。
また、胸郭が柔らかい低出生体重児では呼吸障害がない場合では軽度みられます。

陥没呼吸があるときの検査

陥没呼吸がみられた場合、以下のような検査がおこなわれます。
・心拍・呼吸のモニタリング
・胸部レントゲン検査
・心臓超音波検査
・頭部超音波検査
・血液検査(血液ガス、検血、CRP、血糖、カルシウム、LDH、CPKなど)

陥没呼吸があるときの処置

早産児で肺サーファクタントが不十分である場合は、人工肺サーファクタント充填療法が根本的な治療として行われます。
また、原因となる疾患の治療がおこなわれます。
必要な場合は、人工呼吸器が使用されたり、酸素投与がおこなわれます。


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