小さく生まれた赤ちゃんのママへ~早産児のQ&A


早産児の内分泌機能の未熟性

内分泌器とは、ホルモンを作って分泌する臓器をいい、脳視床下部、脳下垂体、甲状腺、副甲状腺、膵臓、副腎、卵巣、精巣、心臓、肝臓、腎臓などが内分泌器です。
内分泌機能とは上記であげた臓器から分泌されるさまざまなホルモンによって臓器の機能を調節する機能で分泌されるホルモンにより体のはたらきが調節されています。
胎児の内分泌機能は母体に依存することで体のはたらきを調節していますが、分娩後に胎盤が切断されると母親に依存していた内分泌機能は新生児自身の内分泌機能に移行します。
早産児の場合は、出生の時期にもよりますが内分泌機能が未熟なまま出生することになります。

早産児の副腎皮質機能

副腎皮質からは多種の ステロイドホルモン が分泌され、それらのホルモンをまとめて副腎皮質ホルモンといいます。
副腎皮質ホルモンは、大きく分けて糖代謝の調節に関与する糖質コルチコイド、 電解質代謝に調節に関与する鉱質コルチコイド、性ホルモン作用のアンドロステロンなど生体にとって重要なホルモンです。
副腎皮質は在胎5週ころ中胚葉から発生します。
胎児期の副腎は、胎児層と永久層の2層からなり、娠前半期には体重比にすると成人の約20倍の大きさに達するほどの急速な発育を示し、その大部分は副腎皮質の胎児層が占めています。
妊娠後半期になると胎児層の退縮が始まり、その傾向は出生後急速に進行します。
在胎30週ころはコレステロールからコルチゾールを産生することができないため胎盤から供給されるプロゲステロンを利用してコルチゾールを産生しています。そのため在胎30週未満で出生した早産児は胎盤からのプロゲステロンの供給が途絶えるためコルチゾールを産生が低下してしまいます。そのため早産児は副腎皮質ホルモン不足に陥りやすいといえます。

早産児の甲状腺機能

甲状腺は咽頭内胚葉から発生する内分泌器官です。
甲状腺は甲状軟骨(のど仏)の下方あたり、気管を前面から囲むようにして存在する内分泌腺でT4(サイロキシン)とT3(トリヨードサイロニン)の2種類のホルモンを分泌し視床下部ー下垂体ー甲状腺系で調整されていますています。
甲状腺ホルモンは、糖、蛋白、脂質などエネルギー代謝を調節する重要なホルモンで、胎児期には中枢神経系の発育に重要なホルモンです。
胎児の視床下部ー下垂体ー甲状腺は妊娠初期からみられますが、妊娠初期から中期にかけて胎盤を通過したT4も胎児が産生したT4も不活化型甲状腺ホルモンであるバースT3に変換されるため活性型のT3は低値に抑えられ胎児は甲状腺機能低下状態にあります。
在胎30週以降になるとT3産生は増加し、正期産児で生後30分をピークとする一過性の著しいTSH上昇が生じ、それに引き続いて生後24~36時間にはT4、T3も上昇し安定します。
在胎30週未満の早産児では出生後の甲状腺機能の適応反応の未熟性が強いため甲状腺ホルモンは徐々に低下し、生後1~2週に最低値となり、生後3~4週ごろに臍帯血レベルまで回復します。