小さく生まれた赤ちゃんのママへ~早産児のQ&A


早産児の腎機能の未熟性

腎臓は左右1個ずつあり、老廃物や水分などを排泄し、尿をつくるための臓器であるだけでなく、体内の水分量を調節したり、電解質の濃度を調整 しています。また、腎臓は、血圧を調節するホルモンや造血ホルモンの産生などの内分泌機能もあります。
このように腎機能は、水電解質バランスの維持するために重要な役割を果たしています。

腎機能の発達

胎児の腎臓は胎生4週頃に中胚葉から発生し、在胎8週までに腎臓の基本的な機能単位であるネフロンが形成されます。尿管の原基は胎生5週目に、膀胱は胎生6週ころに形成されます。
尿細管は妊娠7週で形成され、腎臓での尿の産生は妊娠9~12週に始まりその後妊娠経過とともに尿の産生量は増加し羊水の産生原としての役割を果たします。
しかし、胎児は老廃物などの排泄を胎盤に依存しており、胎児期の腎機能は未熟です。

早産児の腎機能

腎臓の働きは、尿産生の糸球体、尿濃縮や電解質の再吸収、分泌に関わる尿細管に分けられ、糸球体機能と尿細管機能は腎臓の形成とともに胎児期に発達します。
胎児期の糸球体機能の発達はネフロンの増加とサイズアップで、糸球体機能評価の指標となる糸球体ろ過率(GFR)は、在胎28週から35週頃までは在胎期間に合わせて急速に上昇し、在胎35週を過ぎると出生までは緩やかに上昇します。胎児期は胎盤の助けを借りていたため正期産児でも出生時の糸球体ろ過率(GFR)は低値であり、出生後に急速に上昇し、生後2週ごろには出生時の約2倍となります。
出生時の糸球体ろ過率(GFR)は在胎期間が短いほど低く、出生後に成熟が進むにつれて上昇します。
早産児においても糸球体ろ過率(GFR)の上昇は認められますが正期産児と比較するとその上昇速度は緩やかです。
すなわち、腎機能の発達の途中で出生した早産児は、出生時の糸球体機能が未熟であるうえ、出生後の成熟も遅れるため正期産児に比べると生後早期の尿生産能力が低いといえます。
糸球体で生産された尿細管で濃縮と電解質の再吸収・分泌などの過程を経て尿として排泄しており、尿細管における水分の再吸収に関わっているのが抗利尿ホルモン(ADH)系で腎臓での水分バランス調節の役割を担っています。
抗利尿ホルモン(ADH)系は胎児の成熟度に依存しているため早産児においては抗利尿ホルモン(ADH)系に対する反応は弱い。
このように早産児は、尿細管機能が未熟で尿濃縮力が弱いため水分バランス異常を起こしやすいといえます。