小さく生まれた赤ちゃんのママへ~早産児のQ&A


早産児の呼吸の未熟性:早産児の基礎知識

新生児の肺の成長は、胎芽期(妊娠3~7週)に肺原基が発生し肺芽に分かれ、妊娠7~16週に主要な気管支まで分岐を繰り返します。その後、妊娠16~26週になると気道は終末細気管支まで完成し、ガス交換部である呼吸細気管支、肺胞管、肺胞が発達し、妊娠24週ごろまでにガス交換が可能となりますが、まだ呼吸はできません。妊娠28週ごろから肺サーファクタントが産生され、妊娠34週ごろには口からの羊水の取り込みと肺サーファクタント産生によって胎児の肺は成熟します。

早産児の肺の未熟性

早産児は、在胎週数にもよりますが、肺胞面積が少ないため、呼吸機能は低く呼吸不全を起こしやすく、気道閉鎖による無気肺を起こしやすいという特徴があります。
早産児の肺は抗酸化物質が少なく、損傷に脆弱なため慢性肺疾患が重症科しやすく、肺胞形成や血管形成が低下し、呼吸不全の延長や肺高血圧を合併することがあります。

早産児の肺の機能の未熟性とサーファクタント

サーファクタントは、妊娠24週頃からみられるようになり、妊娠後期に産生が増加します。
サーファクタントは肺胞表面積に分泌され、表面張力を減らし表面活性を発揮することで肺胞虚脱を防ぎ、機能的残気量を増加させます。
早産児はサーファクタントの産生が十分でないため、肺胞が膨らみやすさが低いく、呼吸窮迫症候群(RDS)を起こしやすいといえます。
呼吸窮迫症候群(RDS)は、サーファクタントの欠乏による肺胞が虚脱で、1回換気量が減少するので換気量を保つために多呼吸となります。また、肺胞の機能的残気量が低下するので、呼気時に「うーうー」とうなる呻吟が聞かれます。
さらに早産児は仮死、低酸素、低血圧、低体温に陥りやすく、肺胞表面への蛋白透過性が亢進しやすいためサーファクタント活性も抑制されやすいという特徴があります。

早産児の呼吸中枢の未熟性

早産児には組織学的にシナプス結合の減少などの呼吸中枢自体の未熟性が見られ、化学受容体、肺、上気道の受容体、大脳皮質からの入力に対する呼吸中枢の反応にも未熟性がみられるため中枢性無呼吸を起こしやい、また、早産児は鼻腔から細気管枝まで気道が細く、上気道の緊張や全身の筋緊張も低いため、閉鎖性無呼吸も起こしやすい。
早産児の無呼吸の発症頻度は、在胎29週未満の児のほとんど、30~31週の54%、32~33週の15%、34~35週の7%に起こるとされます。無呼吸は呼吸中枢の成熟に伴い、35~40週にはほぼ消失します。

早産児の呼吸筋の未熟性

新生児の主な呼吸筋は横隔膜で、腹式呼吸です。
早産児の呼吸筋が疲労しやすく呼吸不全に陥りやすい特徴があります。また、腹部膨満の影響でも呼吸不全になることがありす。