小さく生まれた赤ちゃんのママへ~早産児のQ&A


胎児発育に影響する因子:早産児の基礎知識

胎児の体重増加は在胎週数別出生時体重基準曲線から推定されますが、胎児の発育はさまざまな影響を受け基準曲線に沿った体重増加がみられないことも少なくありません。
胎児の発育に影響すると考えられている因子には以下のようなものがあります。

胎児発育に影響する自然環境因子

胎児の発育に影響する自然環境因子としては、標高差、地理、気候、風土、大気汚染、食品汚染、騒音、血縁、年代、その他などがあげられます。
胎児発育と大気汚染に関して欧米や韓国など9カ国の国際共同チームが『大気汚染の地域で暮らす妊婦は低体重の赤ちゃんを産むリスクがわずかに上昇する。』という研究を米科学誌に発表しました。
大気汚染の状況は、PM10の平均濃度を指標にして評価し、PM10の濃度が1立方メートル当たり10マイクログラム増えるごとに、リスクが3%上昇するという結果が報告されました。さらに、PM2.5の濃度もに関しても調査がおこなわれ、1立方メートル当たりのPM2.5の濃度が10マイクログラム増えるごとに低体重児が生まれるリスクが10上がるとの結果が報告されました。
胎児発育と食品汚染に関しては、厚生労働省が「キンメダイやカジキ、マグロなどに含まれる水銀が胎児の発育に影響を及ぼす恐れがある。」と発表し妊娠中かその可能性のある女性は、魚介類の摂取量や回数を制限するように注意を喚起している。
また、ダイオキシンや放射線による食品汚染に関してもさまざまな研究がおこなわれています。

胎児発育に影響する社会的因子

胎児の発育に影響する社会的因子として問題となっているのが経済状態により妊婦健康診査を受けることができないということです。
大阪では2009年から、産婦人科医らが大規模な実態調査を実施し、その数は増加傾向にあるという報告がなされています。妊婦健康診査未受診は胎児の発育だけでなく、母体と胎児の命に関わる問題といえます。

胎児発育に影響する胎児自身の因子

胎児の発育に影響する胎児自身の因子としては、性差、出生順位、多胎、奇形、その他などがあげられます。
男女差では、女児より男児の方が出生体重が大きく、出生順位に関しては、第1子がその後の児に比べて軽いことが多いとされています。
多胎では胎児数の増加に比例して出生体重が減少し、胎児数が増えるほどリスクが増すことがわかっています。
その他、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パドウ症候群)、45XO(ターナー症候群)、5P-(猫泣き症候群)などの染色体異常や先天性奇形、トキソプラズマやサイトメガロウイルスなどの胎児感染症では体重減少や胎内発育遅延を伴うことが多いとされます。