小さく生まれた赤ちゃんのママへ~早産児のQ&A


正期産児(成熟児)の免疫系の特徴

ヒトの免疫は出生時から備わっている自然免疫と生後獲得される獲得免疫に分けられます。胎児は、無菌状態の子宮内では免疫生産能は獲得しおらず、出生と同時に抗原・抗体反応を獲得していきます。

新生児の免疫の特徴

新生児の免疫の特徴としては以下のようなことがあげあれます。

免疫能の未熟性

新生児は、免疫能が未熟であることに加え、胎児期においては子宮内でずっと無菌状態であり、自分自身の免疫系を賦活したことがないということから成人であれば限局した感染を起こすだけのものが新生児では重篤な全身感染症となりえます。

胎盤を通じての母体から受動免疫

新生児の免疫能の未熟性を補うために、胎児期に母体から胎盤を介してIgG分画の免疫グロブリンを受け取ります。IgGは能動輸送で胎児に運ばれ、その量は妊娠7か月を過ぎると急激に増加し、正期産児ではIgG値は母体より高値となります。出生後、母体由来のIgGは徐々に減っていき、生後6か月ごろには消失します。このことから赤ちゃんが生後しばらくは風邪をひきにくいことがわかります。
一方、IgM、IgAを分画の免疫グロブリンは、分子量が大きいために胎盤を通過することができないため胎児には移行していません。

母乳からの免疫獲得

母乳中には、分泌型のIgAやラクトフェリンなどの液性免疫物質、食菌能を有する好中球が含まれています。母乳を飲むことによりこれらの物質が新生児の腸管内をコーティングして新生児は免疫を獲得することができます。

新生児の免疫獲得過程

ヒトの免疫は出生時から備わっている自然免疫と生後獲得される獲得免疫に分けられます。

新生児自身のIgG獲得

新生児は、胎児期には外敵から身を守るために母体からもらったIgGをもって生まれてきます。出生から約6か月間ほどは母体からの受動免疫であるIgGに守られながら新生児は免疫システムが自分自身でIgGを作り出していきます。そして生後3~6か月を過ぎると母体からもらったIgGは徐々に分解され、新生児自身で作り出したIgGのみで外敵を排除し身を守らなければなりません。

新生児の腸内細菌叢獲得

胎児の腸内は無菌状態であり、出産時に細菌を飲み込むことで新生児の腸内細菌を獲得することになります。
腸内細菌には悪玉菌と善玉菌、それと日和見菌があります。
新生児は、母乳を飲むことで腸内では善玉菌が増え、悪玉菌の増殖は抑えられ腸内環境が整っていきます。母乳やミルクを飲む乳児の腸内細菌の95%が善玉菌の一種であるビフィズス菌で占められているといわれ、腸内環境が整うことで赤ちゃんの健康は守られています。

新生児のの免疫防御機能

新生児の 肺の免疫防御機能の主役は肺マクロファージなのですが、出生時にはほとんど出現しておらず在胎30週以上なら生後48時間で現れます。その機能は肺サー ファクタントで増産され、遊走能および貪食が強くなります。また、肺胞隔壁および上皮下には常に樹状細胞が存在し、この樹状細胞はマクロファージの100 倍という強い抗原提示力があり、防御の最前線で働いています。肺はリンパ球が豊富で炎症でその数は急速に増大し、肺胞内に出現し、肺炎などになった場合は防御に働きます。