小さく生まれた赤ちゃんのママへ~早産児のQ&A


正期産児(成熟児)の糖代謝の特徴

胎児期は血糖も母体に依存しており、胎児の血糖コントロールの十分に成熟していません。
出生後、突然に母体からの糖の供給が途絶えるために血糖は出生後から徐々に低下し、出生後1~2時間に最低となります。しかし、出生直後よりインスリンの分泌が抑制され、グリコーゲンの分解と糖新生(肝臓で行われる、糖以外の代謝物質から糖を作り出す機能)によってグルコースが産生され血糖が上昇します。その後、生後8~12時間でグリコーゲンは枯渇するため、その後は糖新生が血糖維持の主体となります。正常新生児では母乳やミルクなどの摂取とこれらの血糖維持機構により低血糖が予防されていますが、以下のような糖代謝の特徴から新生児は低血糖に陥りやすいといえます。

新生児の糖代謝の特徴

①母体の血糖の影響が残っている。
②血糖コントロールの幅が狭い。
③出生後に低血糖となるリスクが高い。
④低酸素に強い。
⑤脳において糖以外がエネルギー源として利用される。
⑥脂質からの糖利用が不十分である。

新生児の血糖値

新生児の血糖値は、生理的に低く、在胎週数、生後日数および出生体重により異なります。満期産児では生後24時間以内は血糖値が40/㎎/dl未満、生後24時間以降では血糖値が40~50㎎/dl未満の場合を新生児低血糖と考えられます。
生後72時間以内、30㎎/dl以下
生後72時間以降、40㎎/dl以下
一般に成熟児では、50~120㎎/dl
生後6時間以内に一過性に低血糖を引き起こす新生児が10%おり、糖尿病母体から出生した児が低血糖を起こしやすい。早期に哺乳を開始することで低血糖を予防できます。

新生児の低血糖

新生児は、肝臓で糖をつくる能力が十分でなく、経口的な糖摂取も不十分なため低血糖を起こしやすいといえます。しかし、出生後はグルカゴンなどの血糖値をあげるホルモンが増加し、インスリン分泌が抑制され、肝グリコーゲン分解により血糖値が維持されるような機構がはたらき低血糖を予防します。
しかし、肝グリコーゲンの貯蔵が少ない場合や哺乳が十分にできない場合、インスリンの過剰分泌などの場合には低血糖症に陥ります。
早産児、子宮内発育遅延を認める児の場合は、グリコーゲンの貯蔵量が少なく、早期にグリコーゲンが枯渇し、糖新生が追いつかず、低血糖に陥ってしまいます。その他に、下肢、低体温、努力呼吸、感染症、多血症などがあると糖の消費が多くなるため低血糖に陥るリスクが高くなります。
また、特殊な場合として糖原病、遺伝性果糖不耐症、下垂体機能低下症、成長ホルモン欠損症、副腎機能低下症など内分泌異常や代謝疾患では容易に低血糖に陥ってしまいます。