小さく生まれた赤ちゃんのママへ~早産児のQ&A


正期産児(成熟児)の水・電解質バランスの特徴

新生児の体液成分は、大きく細胞外液と細胞内液に分けられ、細胞外液はさらに間質液(血管外細胞液)と血漿(血管内水分)に分けられます。

新生児の体液成分

新生児は、成人に比べて水分の占める割合が高く、体水分量は体重の75~80%、細胞外液量は体重の45%を占めています。
このことは出生時に一時的に起こる脱水状態(水分摂取が遅れ、体表面からの蒸散がきわめて大きい)に耐えるのに有利な働きをします。よく「赤ちゃんは水筒を もって生まれてくる」といわれますが、このことを意味します。
体水分量の体重に占める割合は、出生体重が少なく在胎期間が短いほど、また生後日数が少ないほど高いという特徴があります。

新生児の体液の推移

生後2~3日頃に出生体重の5~10%の減少がみられる生理的体重減少がみられ、生後1週間以内に出生時の体重に戻り、その後増加していきます。
生理的体重減少は出生時体重の5~10%の範囲でその大部分が間質の水分や尿や不感蒸排として排泄されていく過程で起こります。

新生児の体液のバランスの特徴

新生児の総体内水分量は成人よりも20%ほど多いうえ、細胞内腋量に比べ細胞外液量が多い、そのためNa、Cl値が高く、K、Mg、リン酸 値は低い。また水の代謝速度も速いが腎機能が未熟なため、代謝産物としての有機酸やClの排泄が十分行われず、血液のバランスが崩れ酸性側にかたむく状態 に陥ってしまいます。尿の濃縮機能も不足しているので、体液バランスがくずれ、脱水状態になりやすいといえます。一方、急速に負荷される水分を排泄する機 能も未熟なために、過度な水分は浮腫の原因となる危険性があります。すなわち新生児は体液のバランスを保つ閾値範囲が狭いといえます。

新生児の水分バランスに影響する因子

新生児は、体重あたりの体表面積が大きい、皮膚が未熟で角質層が薄い、皮膚の血流が多いことなどから不感蒸泄が多くなります。とくに早期新生児期、在胎週数が短い、生後日数が少ないほど不感蒸泄は多くなります。
新生児早期の水分バランスに大きく関係する因子としては、在胎週数、出生体重、生後日齢、環境温度、環境湿度、発熱、運動などがあります。

新生児の腎機能

胎児期に腎臓の機能を胎盤で行っていたものが、出生後、児自身でおこなうことになり、腎臓への血流が急速に増加し、腎臓の機能は大きく変化します。
生後1~2週で糸球体ろ過率は急激に増加し、尿細管機能も生後急速に成熟しまうす。
早期新生児期には、尿細管の再吸収機能が低く、低張尿となりやすく、またナトリウムの再吸収が悪く
低ナトリウム血症になりやすい。カリウムは、尿細管の活性が低く、カリウムの尿中への排泄能力が低いため高カリウム血症になりやすいという特徴があります。

新生児の排尿

腎機能の未熟による尿濃縮不足、抗利尿ホルモンの生成制限は、新生児の尿生成を容易にします。出生後初めての排尿、すなわち初回排尿は生後24時間以内に行われ、それ以後は1~3ml/㎏/hの尿量となります。
尿量や排尿回数は、哺乳水分量、腎機能発達の過程により左右されますが膀胱は不随意に作用するので、1日20回に及ぶ排尿回数となることもあります。
尿は無色、無臭であり、一過性の尿蛋白、生後1週間までの尿糖は、15~20%の新生児に認められます。