小さく生まれた赤ちゃんのママへ~早産児のQ&A


胎芽・胎児の発育

子宮内膜に着床した受精卵は、胚、胎芽を経て胎児へと成長していきます。
着床後の胞胚は急速に大きさと形態を変え発育していきます。
ヒトの発生は受精により始まり、妊娠10週未満(受精後8週未満)を胎芽、妊娠10週以降(受精後8週以降)を胎児とよびます。

胎芽の発育

受精卵は、2細胞期(受精後約30時間)、4細胞期(受精後約40時間)、8細胞期(受精後約60時間)、桑実胚(受精後3~4日)、胞胚(受精後4~6日)と分裂を繰り返しながら卵管内を通過し、子宮腔に到達し着床します。
着床した受精卵は、胎芽球から外胚葉と内胚葉、中胚葉が形成され、それぞれの胚葉から器官原基の形成がおこなわれます。
外胚葉からは皮膚ならびに皮膚付属物、中枢神経系(脳・脊髄など)、末梢神経(自律神経など)、眼球の網膜、水晶体、歯のエナメル質、毛、爪などが形成されます。
内胚葉からは肺の上皮・咽頭・気管や消化管 (食道・胃・腸など)の内面をおおう上皮、肝臓や膵臓などの腺細胞、甲状腺、副甲状腺、胸腺、膀胱などが形成されます。
中胚葉からは骨、筋肉、軟骨や結合組織、真皮などが生じ、心臓血管系(心臓・血管・リンパ管など)、脾臓、腎臓、生殖器系などが形成されます。
胎芽期は器官形成が十分でなく、ヒトの胎児としての特徴も十分備わっていません。

胎児の発育

妊娠10週から胎児期とよび、各器官の成長と機能の成熟がみられます。
胎児の肺は、妊娠7週こごから形成が始まり、妊娠24週ごろにはその構造がほぼ完成しますがまだ機能していません。その後、妊娠28週ころから肺サーファクタント産生が始まり、妊娠34週ごろには肺は成熟し、胎外生活が可能となります。
胎児の心臓と脈管の原基は妊娠5週中期に出現し、心臓は妊娠6週初期には機能しはじめます。
胎児では、血液中のガス交換は胎盤で行われ、肺循環を必要としていないためこれに適応した血行動態になっています。
胎児の妊娠10週ころには造血は主に肝臓でおこなわれ、妊娠14週の終わりには肝臓での赤血球形成能は低くなり、徐々に脾臓や骨髄が造血の役割を担うようになり、出生時には90%の赤血球が骨髄で作られるようになっています。
胎児の消化機能は、妊娠16週ごろから羊水の嚥下運動が認められ、小腸の蠕動運動、水分吸収などが次第に発達し、妊娠8か月ごろには消化機能がほぼ完成に近づきます。
胎児の泌尿器系は、妊娠7週ころに尿細管が形成され、妊娠10週には腎臓で尿を生成するようになりますが、胎児期の腎機能は未熟で老廃物の排泄は胎盤機能に依存して います。
胎児の大脳の発達は、妊娠9週ごろより開始され、妊娠20週には成人と同じ数の神経細胞を獲得し、その後、神経細胞間のシナプス形成が始まりますがこれは新生児から乳幼児期にピークを迎えます。
胎児の神経系の機能は、妊娠8週では体幹や頸部の神経反射を示し、妊娠10週では開口運動や手掌の閉鎖運動がみられます。妊娠16週から嚥下運動や呼吸運動も始まり、活発に四肢や体幹を動かすようになります。
このように中枢神経系や腎臓、肝臓などの臓器は正期産児でも機能は出生直後はまだ未熟であり、一般的には形態発育が先行し、それに遅れて機能成熟が起こります。