小さく生まれた赤ちゃんのママへ~早産児のQ&A


正期産児(成熟児)の呼吸の特徴

早産児を理解するためにまず正期産児(成熟児)の呼吸の特徴について解説します。
胎児期は胎盤を通して酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出するという方法でガス交換し、呼吸を行っていたものが、出生直後から胎児自身による呼吸が開始します。
自力での呼吸を開始するための呼吸機能の成熟は、胎児期を通して行われています。
出生後、自分で呼吸ができることは生命を維持していくためにはとても重要なことです。

呼吸の開始

胎内にいる胎児の肺は肺液で満たされています。
分娩時に狭い産道を通る際に、胎児の胸郭が圧迫され、肺液や気道内の分泌物が鼻や口などから自然に排出されたり、吸収されたりします。
胸郭が狭い産道を通り抜けると肺は圧迫から解放され、胸腔内は陰圧となり、産道から外に出ると胸腔内へ空気が侵入し、第1呼吸が始まります。

新生児の呼吸の特徴

新生児期の呼吸器系の特徴は以下のようなものがあります。

肺のガス交換面積が小さい

新生児の、肺胞のガス交換面積は成人の1/20と比較的小さく、肺容量も小さい状態にあります。すなわち、ガス交換は余力がなく、代謝が亢進すると容易に呼吸不全に陥ることになります。

気道が細く、小さく、軟らかい

新生児の気道は細く小さいうえに、未発達であり、軟らかく、圧迫されやすいため、分泌物や気道粘膜の炎症などによって気道が閉塞され空気が入らなくなります。

鼻呼吸

新生児は主に鼻で呼吸しており、分泌物などで鼻閉がおこると呼吸が苦しくなったり、哺乳がうまくできなくなります。

腹式呼吸

新生児の呼吸運動は、横隔膜の収縮・弛緩による腹式呼吸で、オムツなどによる腹部圧迫による横隔膜の挙上は、呼吸困難や呼吸不全が起こります。

呼吸調節機能が未熟

新生児では、呼吸中枢の低酸素抑制が優位な特徴をもっているため、無呼吸や低酸素症に陥りやすいといえます。

肺サーファクタント産生能が未熟

新生児は、肺サーファクタントの産生する能力が未熟で、肺サーファクタント不足による呼吸窮迫症候群を起こしやすいといえます。

新生児の呼吸数とリズム

新生児の呼吸数は、1分間に30~60回で、呼吸のリズムは不規則で、腹式呼吸型で、短い無呼吸があります。呼吸数の変動範囲は大きく、授乳吸綴も短い無呼吸となります。