小さく生まれた赤ちゃんのママへ~早産児のQ&A


正期産児(成熟児)の生理的特徴

早産児を理解するためにまず正期産児(成熟児)の生理的特徴について解説します。

新生児の体温

腋窩温(脇の下)は36.5~37.5℃、直腸温(肛門)は37.5~38℃、一日の変動は0.5℃以内です。新生児は、室温、衣類、掛け物などにより体温が、変動しやすいため注意が必要です。

新生児の呼吸

新生児の呼吸数は、1分間に30~60回で、呼吸のリズムは不規則で、腹式呼吸型で、短い無呼吸があります。呼吸数の変動範囲は大きく、授乳吸綴も短い無呼吸となります。

新生児の心拍

新生児の心拍数は、児の状態によって変動し、睡眠安静時は1分間に120~140、覚醒安静時には1分間に140~160となります。時として心雑音が聞かれるのですがすべてが問題となるものではなく、経過を観察するなかで自然に消失するものもあります。

新生児の血圧

出生後数時間は徐々に低下しますが、24時間後には、収縮期圧60~80㎜Hg、拡張期圧が30~50㎜Hg と安定します。その後生後6週間の間に約15㎜Hg 上昇します。
循環血液量は、85~100ml/㎏です。

新生児の排尿

出生後初めての排尿は生後24時間以内に行われ、それ以後は1~3ml/㎏/hの尿量となります。
尿量や排尿回数は、哺乳水分量、腎機能発達の過程により左右されますが、膀胱は不随意に作用するので、1日20回に及ぶ排尿回数となることもあります。

新生児の排便

出生後初じめての排便は、生後24時間以内に暗緑色の胎便が排泄され、生後4日頃には黄緑色の移行便となり、5~6日には乳児便となります。一般的に母乳栄養の児では人工栄養の児に比べて便回数が多く、軟便となります。

新生児生理的黄疸の発現

新生児のビリルビン代謝の特徴などから、血中のビリルビン濃度が上昇し、皮膚が黄染する生理的黄疸は生後2~3日に現れ、生後4~5日で最高値を示し、生後7~10日で消失します。新生児の約95%に明らかに黄疸を認めるのですが、何ら後遺症を残すことなく経過します。未熟児では成熟児と比較し赤血球寿命は短く壊される赤血球は多く、また酵素の未熟性のためビリルビン値がやや高く、遅延する傾向にあります。

新生児の免疫系の特徴

免疫グロブリンG(IgG)は、妊娠後半期に胎内で母体から受けますが、母体が抗体をもっているならば、生後6~12か月間は麻疹、風疹、水痘などの感染症への罹患を防止することができます。

原始反射

新生児には特有な原始反射があり、神経系の状態を反映します。
・吸綴反射:口腔内に物を入れると、唇と舌で吸い付いてくる反射。
・口唇追いかけ反射:口唇の側端に触れるものがあると、その方向に口をゆがめて唇を持ってくる反射。
・モロー反射:仰向けにした新生児に頭を手のひらで支え、約10~15㎝ベッドから上げて、頭を手をのせたまま落下させて、あるいは、大きな音を出して驚かせるような刺激を加えたときに起こる反射で、両上肢を大きく開き、側方から正中方向nちょうど抱きつくような動作を示す反射。
・手の把握反射:検者の指を手のひらに入れ手掌を圧迫すると指を屈曲させて握り返すような動作をする反射。
・足の把握反射:足趾の付け根を圧迫すると、全趾が屈曲する反射。
・ガラン反射:腹臥位で水平抱きにし、脊柱のそばを一側ずつ上方から下方へ検者の指でゆっくりとこすると、こすった側へ脊柱が弓状に曲がる反射。
・非対称性緊張性頸反射:仰臥位にした新生児の顔を一方に向けると、顔が向いた方向の上下肢が伸展し、他の上下肢が屈曲する反射、フェンシングをしている姿に似ています。
・自動歩行反射:新生児のわきの下を支え、足底を台に付けて体全体を前屈させると、下肢を交互に曲げ伸ばしして、あたかも歩いているような動作をする反射。