小さく生まれた赤ちゃんのママへ~早産児のQ&A


絨毛膜羊膜炎(CAM)とは

卵膜は子宮の中で胎児と羊水を包む膜で外側から脱落膜、絨毛膜、羊膜の3層からなっています。
絨毛膜羊膜炎(Chorioamnionitis:CAM)とは、卵膜に細菌が感染して生じる炎症性疾患です。
縦毛膜羊膜炎は、早産の原因として最も多く、発症すると短期間で早産に至り、超低出生児が出生する原因となります。

絨毛膜羊膜炎(CAM)の原因

絨毛膜羊膜炎は細菌性膣症が原因となることが多く、細菌性膣症の一部が膣炎→子宮頚管炎→絨毛膜羊膜炎へと上行性に感染と炎症が波及し、切迫早産、早産を招くことになります。
さらに、絨毛膜羊膜炎の感染が進むと、羊水感染、臍帯感染、胎児感染に至ることもあります。

細菌性膣症とは

膣内は、本来は常在菌叢である乳酸桿菌(ラクトバチラス属など)によってpHが 酸性に保たれることにより他の病原微生物の侵入を防いでいるのですが、何らかの原因により乳酸桿菌が好気性菌や嫌気性菌などが過剰に増殖し、細菌性膣症がおこります。
細菌性膣症の原因は、ストレス、複数のパートナーとの性交渉や頻回の腟内洗浄などにより膣内の防御機構が崩れてしまいます。
原因となる菌が証明されない場合も多いのですが、起炎菌としてはB群溶蓮菌(GBS)、腸炎球菌、大腸菌、ガードネラ菌、バクテロイデスなどの他に、マイコプラズマ、ブドウ球菌、クレブシェーラ菌なども起炎菌となります。

絨毛膜羊膜炎(CAM)の症状

絨毛膜羊膜炎(CAM)は、症状がみられない不顕性と症状がみられる顕性に分けることができます。
不顕性の場合は、軽度の子宮収縮を感じ、内診で頚管長の短縮を確認することがあり、早期に診断と治療が行われると進行を防ぐことができます。
顕性の場合は、38度以上の発熱、頻脈、下腹部痛(子宮の圧痛)、白血球数の増加などがみられ、治療を行っても進行を防ぐことは難しく、多くは急速に分娩に至ります。

絨毛膜羊膜炎(CAM)の経過

縦毛膜羊膜炎は、細菌による感染が上行性に進行し、炎症も上行性に波及していきます。
①子宮頚管へ波及
細菌感染を起こすと局所に炎症細胞(マクロファージや好中球など)からサイトカインなどが分泌され、子宮頚管のコラーゲン線維構造が変化し、子宮頚管の熟化が起こります。
②卵膜への波及
細菌感染により好中球から放出される顆粒球エラスターゼなどが卵膜のコラーゲンを分解し前期破水が起こります。
③子宮体部への波及
絨毛膜羊膜炎が起こると炎症性サイトカインが産生され、羊膜や絨毛膜でプロスタグランジン産生が起こり、オキシトシン受容体が亢進することで子宮収縮を起こり、早期陣痛が発来します。