小さく生まれた赤ちゃんのママへ~早産児のQ&A


羊水過多症とは

羊水過多とは、妊娠時期を問わず、羊水量が800mlを越えることが推察される場合や実際に羊水量が800mlを超えていることが確認されたものと日本産婦人科学会は定義しています。
しかし、羊水量を実際に計測することは難しいといえます。
羊水過多により臨床的になんらかの自覚症状を伴う場合を羊水過多症といいます。

羊水の産生とは

羊水は羊膜腔を満たす弱アルカリ性の液体で、妊娠初期には羊膜と胎児皮膚から妊娠中期以降は胎児尿から産生されています。
羊水量は妊娠28週末にピークをむかえ約800mlとなり、その後徐々に減少して妊娠末期では約500ml以下になります。
妊娠経過とともに胎児の尿の産生量は増加し、妊娠20週ごろには5ml/時、満期では20ml/時程度となります。胎児の排尿周期には、20~45分ごとで1日あたりの尿産生量は平均1000~1200mlにも達するといわれ、妊娠末期には、胎児は1日400~500mlの尿を排泄し、ほぼ同量の羊水を飲み込んでいます。
妊娠7か月頃に羊水が増量するのは、胎児の腎機能の活発化を反映しています。
妊娠8週ごろから胎児の嚥下運動は開始しています。
嚥下される羊水量は、妊娠16週では7ml/時程度、妊娠末期には200~600ml/日に達します。体重あたりの嚥下量は100~300ml/㎏/日です。
羊水は胎児自身および羊膜によって代謝され、90分で50%、3時間で羊水のほぼ全量が入れ替わり、胎児によって常に快適な空間を形成しています。

羊水過多症の原因

羊水過多症の原因は、母体側要因、胎児側要因、胎盤要因などがありますが、羊水過多症は原因がはっきりとしないものが多く、原因不明の割合は約60%といわれています。

母体側要因

①糖尿病…妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠など。
②合併症…母体の心、肺、肝、腎などの疾患。

胎児側要因

①胎児形態異常(染色体異常を含むは約20%
・中枢神経系異常…無脳児、水頭症、脊柱破裂など。
・消化器系異常…消化管閉鎖、口唇・口蓋裂、腹壁破裂など。
・泌尿器系異常…水腎症など。
・循環器系異常…胎児心奇形など。
②多胎妊娠…双胎間輸血症候群などで約7%
③胎児赤芽球症

胎盤性要因

①胎盤、臍帯の異常など。
②胎盤、臍帯、卵膜の炎症など。