小さく生まれた赤ちゃんのママへ~早産児のQ&A


動脈管開存症(PDA)とは

動脈管開存症(Patent ductus arteriosus:PDA)とは、胎生期における肺動脈・大動脈間の交通路である動脈管が生後も閉鎖することなく開存している状態が維持した疾患をいいます。
動脈管開存症(PDA)の頻度 は、在胎27週以下では約40~50%が発症、在胎週数が若ければ若いほど、出生体重が少なければ少ないほど発症頻度が高くなります。

胎児循環から新生児循環へ

胎児期の循環を胎児循環といい胎盤でガス交換がおこなわれ、出生後は肺でおこなわれます。
胎児循環は、卵円孔、動脈管(ボタロー管)、静脈管(アランチウス管)という3つのシャント血行があります。臍動脈には静脈血(酸素少ない血液)、臍静脈には動脈血(酸素が多い血液)が流れています。
動脈血は、臍静脈→下大静脈→卵円孔→左房→左室→上行大動脈と流れることで脳へ酸素の多い血液が優先的に流れるようになっています。
静脈血は、脳→上大静脈→三尖弁→右室→肺動脈→下大静脈と流れます。下大動脈には動脈血からの血液と上行動脈からの血液が流れており、このことで脳に酸素の多い血液が流れてようになっています。
このような胎児循環は、出生後は肺呼吸が開始すると肺の血管が開き肺血流が増加し、肺静脈から左房へ還る血流も増加して左房圧は上昇します。一方、臍帯静脈から還ってくる血流がなくなるため右房圧は低下し、卵円孔は左房側から押されて閉じます。また、動脈管の血流は、肺への血流が増えるため減少し生後1~2日で閉鎖します。

早産児の動脈管が閉鎖しにくい理由

動脈管開存症(PDA)が、在胎週数が若ければ若いほど、出生体重が少なければ少ないほど発症頻度が高くなる、早産児がなぜ動脈管が閉鎖しにくかの理由としては以下のようなことが考えられます。
・動脈管の平滑筋自体が未成熟で収縮しづらい血管構造にある。
・未熟動脈管においては酸素の動脈管収縮作用が極めて弱い。
・プロスタグランジンEの代謝・分解が遅れるため。
・プロスタグランジンEよりも一酸化窒素がメインの拡張因子である。


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