小さく生まれた赤ちゃんのママへ~早産児のQ&A


壊死性腸炎(NEC)とは

壊死性腸炎(:Necrotizing Enterocolitis:NEC)は、とくに低出生体重児に好発し、消化管の一部が区域的に壊死を起こし、穿孔、腹膜炎へと進展する後天性の炎症性腸疾患です。壊死を起こす部位は回腸末端が最も多く、次に空腸、結腸に多く発症します。

壊死性腸炎(NEC)の頻度

わが国の主要NICUにおける壊死性腸炎(NEC)の発症頻度は全入院患者の0.15~0.25%で、そのの2/3~3/4は極低出生体重児で占められ、死亡率は50~55%、超低出生体重児に限れば60~70%と高率となります。また、75%は未熟児に特に出生時に羊膜炎を伴う前期破水や仮死があった場合 に高頻度に発生する。
男女比は1:2と女児に多い。
90%が生後10日までに発症する。
母乳栄養児に比較して人工栄養児で高い発生率を示します。

壊死性腸炎(NEC)の発症要因

壊死性腸炎(NEC)の発症要因としては、①腸管の未熟性、②血行障害、③腸管細菌叢の異常や細菌感染などが考えられます。壊死性腸炎(NEC)は、主として在胎週数32週以下の早産児、極低出生体重児、とくに超低出生体重児で起こりやすい。さらに胎児機能不全、新生児仮死、呼吸・循環動態の異常による低酸素状態や子宮内および出生時の感染が影響して発症する危険性が高くなることがわかっています。
壊死性腸炎(NEC)の大部分の症例は経管栄養開始後に発症することが多く、ほとんどは生後3週間以内に発症するが、生後30日目以降に見られることもあります。

壊死性腸炎(NEC)の原因

壊死性腸炎(NEC)の原因は不明であるが、腸管の未熟性を基盤として腸管虚血、感染、経腸栄養などが関与して発症すると考えられています。

Bellの壊死性腸炎(NEC)病期分類

壊死性腸炎(NEC)の症状は、病気の進行状態によって以下の3つの病期分けられます。

Ⅰ期 壊死性腸炎(NEC)が疑われる

壊死性腸炎(NEC)の初期症状は未熟児で見られやすい非特異的な症状であり、腹部膨満、嘔吐、胃内容の増加、不活発などが挙げられます。また、低体温もしくは高体温、無呼吸や徐脈、便潜血も出現します。腹部X線写真ではほぼ正常か軽度の腸管拡張像を認めます。
これらの状態は「疑わしい」というだけで壊死性腸炎(NEC)の確定は困難です。鑑別診断のための検査としては、便、吐物、血液の細菌検査、血清電解質、生化学、血算・凝固機能検査とX線撮影を繰り返して観察し続ける必要があります。

Ⅱ期 壊死性腸炎(NEC)が確定

Ⅰ期で認める症状に加え、肉眼的に明らかな血便が出現し、腹部膨満が増強します。X線写真では、拡張腸管のループ固定像や腸管壁の浮腫(肥厚像)などが認められます。腸管壁内気腫像や門脈内ガス像が見られれば高度の壊死を伴う状態と考えられます。

Ⅲ期 壊死性腸炎(NEC)が進行

腸管壊死が進行すると腸管穿孔を伴います。腹膜炎を起こすことで腹部膨満に加えて腹壁の発赤が出現します。また、呼吸性、代謝性アシドーシス、DIC、好中球減少、血圧低下や無尿などのショック状態に陥る。X線写真では、腸管穿孔の所見として腹膜内遊離ガスがみられる。


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